2016年の4月から11月にかけて、東日本地域の4都市(宮城県仙台市、長野県長野市、茅野市、東京都多摩市)が"宮沢賢治"をテーマとした市民創作プログラム、および「風の又三郎」の舞台作品の創作・上演に、世界で活躍する舞台演出家小池博史らとともに臨む。

2016年11月30日水曜日

「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-」仙台公演のご報告


こんにちは。お久しぶりです。 仙台市市民文化事業団です。
仙台公演が終了いたしました。
ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。
遅ればせながら、本番当日の様子を少しだけお伝えいたします。

プレ・トーク「小池博史の世界」

創作プログラム「KENJI」の参加者有志による運営。
11時40分からシアターホール一階ホワイエにて。
小池博史さんの世界を深く掘り下げる、絶好の機会となりました。

「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND‐」公演


圧巻の舞台でした。

アンケートの一部をご紹介します。

・びっくりしました。セリフは少ないけれど、音や光、動きで風が表現されていました。途中の赤いライトがちょっと怖かったです。

・空気の流れが目に見えるようだった。照明の衣に当たって波打つ感じが良かった。アクロバットな動きも良かったです。

・今までにない感覚でしたが、心地よい舞台でした。風が吹いたら又三郎が遊びに来たと思うことにした。

・終わったあとなかなか立てませんでした。身体の力が入らなくて、心地いい風が心と体を駆け巡って、手には汗を握っていました。私の体の中にも、風は吹いているんだなあ、と、終わった後にただただ涙が出てきてしまいます。

・面白い。特にラストシーンは格別の爽快感を感じた。

・独創的で唯一無二。あの世の世界を見ているようでした。

アフタートーク/4館連携シンポジウム「連携の今までとこれから」

小池博史氏、連携4館の担当者、「KENJI」仙台参加者によるトークが行われました。

各地域の取り組みの紹介から。
脚本「KENJI」を作品化した長野、多摩、仙台。
長野市芸術館はオープニング事業ならではのプレッシャーや多岐にわたる調整があり、ルテノン多摩ではワークショップの期間が短いゆえのご苦労があったようです。
仙台は先輩2館の経験を受け継ぎ進めることができました。

茅野の取り組み「風の衣装をつくってみよう」は、自作の風の衣装に身を包んだ小学生たちが公演を鑑賞するというユニークなもの。連携の力がなければ実現が難しかったということです。


小池さん「地方は懸命にやっているけれどまだ力が足りない。届いていない。地方と地方がつながって力になっていくことがもっともっと必要。日本の現状を変えるぐらいの力に」。
連携の意義深さと可能性を再認識させられる言葉でした。


また、今回の公演について「再演はやはり、いいなと思います。一人一人が深まっていく」としみじみ語っていました。

ゲストの市民創作参加者は、「どんなに過酷な稽古でも頑張る理由は、小池さんの世界に近づきたいから」と、話してくれました。


パフォーマーの皆さんのコメントも。

とても充実した一日となったことをご報告させていただきます。

P.S 公演までの長期にわたり、仙台版「KENJI」参加者の皆さまには、情報発信からイベントの企画運営、各種記録までたいへんお世話になりました。その情熱と実行力は仙台の誇りです。




2016年11月1日火曜日

[KENJI]子ども創作ワークショップ+鑑賞プログラム「風の衣装を作って見よう」【 レポート12】

〈風の子〉たちが〈風の又三郎〉を見にやってきた!

公演「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-」。本日11月1日、茅野市内全小学4年生が全員が来館し、この舞台を鑑賞しました。


 浜井さん
 もうちょっとやってみたらお気に入りの衣装ができるかもしれない。
 自分が一番いいなと思えるような着方を家でやってみて、
 11月1日「風の又三郎」を見るときは、その衣装を着て、市民館で会いましょう!

9月のワークショップでそれぞれに工夫した「風の衣装」をまとった、527名の〈風の子〉です。




大きな劇場で、あちこち目移りしながらこどもたちは興味津々の様子。ほかの学校の子と一緒になる機会も、そうそうありません。でも、暗転して舞台がはじまると、みんなの意識がぎゅっと入り込む瞬間があり、そこからはそれぞれの集中力で、そこに生まれる時空間を感じ取っているようでした。

終演後には、ワークショップ講師の浜井弘治さんにそれぞれの衣装を披露してごあいさつ。キャストの皆さんも駆けつけ、市民館のロビーが、いろいろな風の集まる不思議な空間となりました。




スタッフ・キャストの皆さんも
「舞台も客席も、まるでひとつの劇空間にいるような感じがした」
「客席からすごくエネルギーをもらった」
「こどもたちの〈なんだろう〉という興味を感じて、みんな表現がとてもやわらかかった。こんなことはほかにない」と口ぐちにおっしゃっていました。

舞台からのエネルギーと、舞台へ向けられたたくさんのエネルギー。観客の皆さんの存在があってこそ、舞台の空間と時間が生まれる。そんなことを実感した公演でした!

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■公演「風の又三郎」鑑賞(プレビュー公演)
※学校連携:茅野市内小学4年生 縄文科単元「「風の又三郎」の観劇で、縄文の風をふかそう」

ワークショップで創作した〈風〉の衣装を身に着け、茅野市民館で舞台作品を鑑賞する。
〈風〉の衣装をつけた自分たちと、〈風〉を感じる舞台空間がつながるような体験を目指す。
[公演内容]小池博史ブリッジプロジェクト「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-」
[対象]茅野市内小学4年児童(527名)
[日時/会場]2016年11月1日(火)茅野市民館マルチホール

2016年10月30日日曜日

小池博史さんと〈宮沢賢治〉テーマに交流会

多摩での公演を終え、本日10月30日茅野入りした演出家・小池博史さんと地域の皆さんとで、〈宮沢賢治〉をテーマに交流会が開かれました。茅野で活動する「宮沢賢治を読む会(星めぐりの会)」の皆さんとの交流会で、オープンサロンとして興味のある皆さんも加え、13名の皆さんが集まりました。



集まったのは、2011年3月11日の東日本大震災後、「賢治の残した作品を今こそ、ひとりではなく大勢で、声に出して読んでいきたい」と活動を始めたという「宮沢賢治を読む会(星めぐりの会)」の皆さんをはじめ、賢治の作品に心酔しているという方、図書館を利用していてこの公演を知ったという方、孫と一緒に改めて賢治を読んでいるという方などなど。小池博史さんが茅野市に隣接する伊那市高遠の森で行なっている合宿型ワークショップの参加者の方もいらっしゃいました。

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(宮沢賢治を読む会代表・本間さん)
自分たちも、こどもたちも、身体のなかを通る「感覚」でとらえないとわからないことがあるような気がしている。幼少期の記憶が人にとって大切な気がして、それがすごくあるのが賢治の世界じゃないかと感じている。

(小池博史さん)
 まず自分自身について。もともと演劇やダンスというジャンルではなく、空間、時間、身体の動きや声など、いろんな要素や異文化を織り交ぜた、ストーリーではない舞台芸術そのものの言語をつくりたいと思っていた。
 2010年に入り、自分たちが目指しているものと社会が別方向に向かっていく感じがしていた。そのとき岩手に行って、宮沢賢治はこういうところで生まれたんだとひしひしと感じた。そこで「宮沢賢治はやらないんですか」ときかれ、そうか、と。
世界全体、日本全体がわかりやすい方向に向いていて、そうじゃない視点は追いやられてしまう、それではだめだと感じ、賢治をやりたいと思ったのが2010年12月。そうしたら2011年に震災が起きた。
 パパ・タラフマラを解散して、築いてきたと思い込んできたものを一旦ゼロにしてから始めていくのが重要だと思い、2012年6月から「ブリッジプロジェクト」を始動した。さまざまな関係性で、いろんな意味で「橋」をかける。ワークショップをやるようになり、創作に関してはふたつの柱を掲げた。ひとつは「マハーバーラタ」。神々の話で、だれも生き延びない崩壊の物語。いろんなところで対立を煽るものが出てきている今の時代に、その意識をもたないとと思い、アジアで始めた。
 もうひとつが「賢治」。人間が人間の視点しか持ち得なくなってきたのが、これだけの問題をつくってきたのだという思いから。3本つくろうと最初から決めていた。『注文の多い料理店』では動物の視点から、『銀河鉄道』は死者の視点から。そして今回の『風の又三郎』。これはふたつのバージョンがあり、自然そのものの「風野又三郎」のほうを主にしている。
 風は目に見えない。放射能も目には見えないけれど、見えないものがもたらしてくる恐れや恵みがある。自然のなかにいてはじめて恵みを受けていく人間を描きたいと思った。では、自然を舞台でどう描くか。セリフで語る劇ではなく、踊るだけでもなく、装置や煙の動き、光がちょっとずつ変わる変わり方で見せる作品になっている。





(本間さん)
 今の時代性。一生懸命やっても無駄だなあ、と内向きになっちゃう感覚を、震災のときに感じて、なにをやればいいのかと考えた。そこで、賢治を読んでみるのが大事なんじゃないかと感覚的に思った。

(小池さん)
 メキシコの文化が好きで、古代人の感覚を持ってるのではという印象をよく受ける。連綿と時間が続いているような感覚がある。インドネシアもそう。死者が近い場所、死も生きたものとして扱っていく感覚。ここからここまで、ではなく連綿とつながっている感覚が、賢治の作品にももあるのではないか。
 たとえばインドネシアは、古典とコンテンポラリーが現代的に密接に結びついている。その距離の近さ、その視点がとても大切だと思っている。たとえば踊りでいうと、バレエやモダンダンスといった西洋のものは体をしぼって天に向かう。日本の舞踊は地に向かう。大地に足をはわせてコネクトしていく。そういう文化を考えると、身体の使い方がアニミズム。自然的なものとアジア人は強く結びついていたはず。それをもう一度チェックしていこうと創ったのが本作。

(参加者)
 お話をうかがっていて、感覚的なものが大事、身体で感じるようなものを表現されている、というような感覚が伝わってくる。

(小池さん)
 余分なものは切り捨て、理屈、論理でとらえる。でも言葉で還元できないものがたくさんある。それを丸ごと捉えたい。「これはなにか?」「どういう意味?」と問い、答えをきくと簡単に理解した気になってしまう。自分がどう捉え、どう落とし込んでいくかが大切なのに。その経路を排除したものは所詮インフォメーション、情報。自分が答えを見出したり、将来まで残しておくことも大切。今わからなくてもいいんだ、と。この作品は、言葉を最小限にして、言葉で表現しないようにした舞台。空間と時間と身体がミックスしてリズムをつくっていく。

(本間さん)
 「又三郎」は先生には見えないけどこどもたちには見える。お話をうかがっていて、とても大きな、分けて考えることができないものごとがあって、その感覚が賢治のどの作品にもあると感じた。賢治の作品を今読むことの大切さ。答えを求めようとして、深いところで問題意識がもてない時代になっている。そういう大人が、こどもたちのいい迷惑になっていないか。だから、これからも賢治を読んでいこうと思っている。

(参加者)
 茅野で『注文の多い料理店』を見て、正直よくわからないと感じていたが、こういう話を聞いておけばよかったなあ、と。

(小池さん)
 最近「あまり考えないで見て」「まずは丸ごと受け止めてください」と伝えている。「これは何か」と問いだすと、意味の呪縛がある。意味を考えないと楽になって反応が違う。教育では、どういう回答があるかという思考になるが、回答はいつかやってくればいいと思う。

(本間さん)
 答えがないことをこどものころに経験していた。こどもたちがわかる、というそのことを大人が改めてしっかりと捉えたい。

(小池さん)
 たぶん、こどもは別なところで見ている。見るというか感じているのだと思う。あと、自然とともに生きていくことがとても大事。高遠で20年間、夏に合宿している。人の身体には自然があって、その対話がないと歪んでいくと思っている。

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参加者の皆さんから
「身体で感じる、ということ。賢治を読んでいて、自分もそう感じている」
「単純に、夢のある作品だと読んでいたが、難しく感じたり楽しみに感じたりしている。茅野でやってくれてうれしい。こどもたちがどう見るのか楽しみ」
「又三郎がどんな舞台になるのか本当に楽しみ」
「早く見てみたい」
…といった感想のあった今回の交流会。皆さんも、どうぞご鑑賞くださいね!

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■風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-
http://www.chinoshiminkan.jp/ccc/2016/1102.html#1

日時:2016年11月2日(水)19:00開演(18:30開場)
会場:茅野市民館 マルチホール
料金:(全席自由)
大人2,000円、子ども(高校生以下)1,000円、親子2,500円
※当日は各500円増
◎茅野市民館友の会(前売のみ)
大人1,900円、子ども(高校生以下)900円、親子2,400円

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〈関連企画〉
■宮沢賢治の特集展示
茅野市図書館(本館)10/21(金)~11/21(月)
茅野市民館(事務室前)10/21(金)~11/3(木・祝)
茅野市民館図書室 9月~12月下旬

■宮沢賢治を読む会 交流会
10/30(日)16:00~(1時間程度)
茅野市民館ロビー
ゲスト:小池博史(演出家)
(協力:読書の森 読りーむinちの)

2016年10月27日木曜日

仙台発「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-」市民宣伝部

プレス向けプレビュー公演の劇評・感想です。


仙台では、「市民宣伝部」部員の皆さんが、10月18日に行われたプレス(新聞、テレビ、雑誌など)向けプレビュー公演を鑑賞し、舞台の奥深さ、面白さを書き伝えてくれました。4人目の部員の方からお寄せいただいた劇評・感想を掲載いたします。




「風の又三郎2016」プレビュー公演 感想 大河原芙由子


まず風の音。
そしてマント軽やかに現れる風の精たち。風は大きくうねりを起こしながら、あちらの山からこちらの山までと吹き渡っていくかのようで、間もなく、自分は大きな自然の中にたたずんでいるのだというような心持ちになる。

風の精たちの戯れ、少年たちの戯れ。風の又三郎との出会いに驚き、喜び、嘆く少年たち。又三郎はすぐ近くにいた。少年たちは又三郎のしわざや恩恵に一喜一憂するが、「又三郎、また来いよ」と最後に言うように、いつでも会える、共に在るものと捉えているかのようだ。

”人と異界”に焦点を当てたという本作品。能楽師の清水さんの能の謡は、時空間を変形するかのように響き渡り、”異界”への扉を開くかのよう。舞台上のスクリーンに映し出される光と影も、無言だが何かを想起させるようで心ざわつく。

少年たちの遊びの中にある「鬼」も「地蔵菩薩」もまた、異界への入り口だろう。「かくれんぼ 鬼のままにて老いたれば 誰をさがしにくる村祭り」という寺山修司の短歌を思い起こす。祭りのあとのふとした瞬間に広がっている裂け目のようなもの。そういった異界がかつての日本にはそこらかしこにあったというようなノスタルジックなイメージも描かれる。

が、郷愁のみには留まらない。スクリーンいっぱいに広がる鮮烈な映像や、ガムラン、パーカッションとラップといった音など、現代も土着も渦巻く。終始響き渡るのは生演奏の尺八で、そのうねりや響きと共に、風がかき回したかのようにさまざまなイメージが交錯する。

そして何と言ってもアクロバティックな身体の動き。初めから最後まで、役者たちは大いに身体を動かす。特に又三郎役の谷口界さんは、バック転、側転、ジャンプに逆立ちにと、絶え間なくくるくると動き、見とれる。見ているうちにこちらも身体がムズムズしてくる。あんなふうに自由に身体を使えたらどんなに気持ちいいだろう!人間の身体が持つ表現力にあらためて驚く。

又三郎と出会い、異界を垣間見たのちに、少年たちは日常へと戻っていくが、そのうしろ姿に、対比的に異界がまた際立つ。すぐそこにある異界は、人の視点にとらわれない、魅惑的な世界なのだという体験が残る。そしてまた、風とともに織りなされる舞台を通して、私たち自身も変化のしようのある、軽やかで力強い、風のような存在なのではないかと思わされた。


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10月29日、パルテノン多摩での公演を乞うご期待!

2016年10月26日水曜日

公演「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-」市民館と図書館、読書活動との連携

「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-」公演を機会に、読書活動が盛んな茅野市で、「宮沢賢治の世界観」を紹介していこうと、現在、茅野市図書館と茅野市民館に特集コーナーを設けています。




茅野市図書館(本館)では、絵本や紙芝居などを中心とした宮沢賢治の本を特集展示しています。小学4年生の衣装ワークショップの様子や、小池博史ブリッジプロジェクトの「注文の多い料理店」「風の又三郎」のPV映像も見られますよ!




市民館では、宮沢賢治の世界観や人間性を、たくさんのコメントで紹介しています。童話作家、詩人であり、科学者、農業者、教師でもあった賢治の追い求めた〈まこと〉の精神など、さまざまな側面がみえてきます。今回の舞台の魅力や、衣装ワークショップのこともたくさんご紹介しています。市民館図書室でも、さまざまな種類のある賢治の本を集めてご紹介しています。




この「宮沢賢治の世界観」の紹介には、茅野市で活動している「宮沢賢治を読む会」の皆さんからたくさんのアドバイスやコメントをいただきました。東日本大震災が起きて、「賢治の残した作品を、今こそ、ひとりではなく大勢で、声に出して読んでいきたい」と生まれた集まりだそうです。小池博史ブリッジプロジェクトの宮沢賢治三部作ともつながる思想ですね。




◎10/30(日)に交流会◎

公演前の10/30(日)には、宮沢賢治を読む会の集まりで、演出家・小池博史さんと直接お話しをする交流会があります。オープンサロン(16:00から1時間程度)ですので、ご興味のある方は市民館ロビーにお立ち寄りください!

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■風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-
http://www.chinoshiminkan.jp/ccc/2016/1102.html#1

日時:2016年11月2日(水)19:00開演(18:30開場)
会場:茅野市民館 マルチホール
料金:(全席自由)
大人2,000円、子ども(高校生以下)1,000円、親子2,500円
※当日は各500円増
◎茅野市民館友の会(前売のみ)
大人1,900円、子ども(高校生以下)900円、親子2,400円

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〈関連企画〉
■宮沢賢治の特集展示
茅野市図書館(本館)10/21(金)~11/21(月)
茅野市民館(事務室前)10/21(金)~11/3(木・祝)
茅野市民館図書室 9月~12月下旬

■宮沢賢治を読む会 交流会
10/30(日)16:00~(1時間程度)
茅野市民館ロビー
ゲスト:小池博史(演出家)
(協力:読書の森 読りーむinちの)

2016年10月21日金曜日

[長野]長野市芸術館「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-」
いよいよ、明日より2Days!



さて、とうとう始まります「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-」。
仙台から場所は移り、長野市芸術館にて昨日は仕込み、本日は最終調整およびゲネが行われました。















今日は、あまり多くを語りません。いやーーーー、すごい!とにかく、作品の完成度の高さ、そして明日からの公演へのこの胸の高鳴りをお伝えしたいです。絶対観たほうがいいですよ!楽しみにしてください。
明日、明後日とまだ少し席に余裕があります。この土日にぜひ、お越しください。
 スタッフ一同、お待ちしております。

仙台発「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-」市民宣伝部

プレス向けプレビュー公演の劇評・感想です。


仙台では、「市民宣伝部」部員の皆さんが、10月18日に行われたプレス(新聞、テレビ、雑誌など)向けプレビュー公演を鑑賞し、舞台の奥深さ、面白さを書き伝えてくれました。3人の劇評・感想を掲載いたします。



「風の又三郎」プレスプレビュー公演を観劇して 池田 佳津子

 プレス向けプレヴューは能楽、ダンス、演劇、アクロバット、パーカッション、映像、オブジェ等で織りなす不思議かつ贅沢な舞台構成になっておりました。異分野のアーティストたちとのコラボは充分に観応えがありました。
賢治は森羅万象、人間・動物・自然(風)・死者をこよなく愛し、また自然について深く考察しつつ、童話や詩を書いた人物として知られています。
特に私は「風の可視化」にフォーカスしていましたが、アーティストたちが、色々な風を身体を使って自由自在に舞台上で表現していました。
 東北と世界をむすんで風とともに旅をしてみてはいかがでしょうか。
 演出家の小池氏からのメッセージでもある情報的に切らずに「感じる」ことに集中してご覧いただければよりお楽しみ頂けると存じます。
 最後に東日本大震災後の世界を再構築したこの作品はこの地・宮城に暮らす子どもたち、大人たちにこの舞台を通して様々なことを投げかけています。
それぞれの心の中に自然と人との大切なつながりや人と生き物とのバランスのズレを考えるきっかけとなればと存じます。
 どうぞ多くの皆様に是非、劇場に足を運んで頂けることを祈っております。 



世界中の風を感じる舞台   伊藤 美智子

 3.11の大震災の風ってどんなだったろうかな。津波にのみこまれていった人々の感じた風は、どんな風だったのかなあ。舞台装置の白黒といい、空から降りてくる仏さまかな、あのくるくるまわっている時間が貴いものに感じた。
役者のみなさんが、めいっぱい動きまわるさまざまな風の姿に、生きているって本当にいいなあと思いました。世界中の風を感じる舞台で、いっしょに旅したいです。効果音もすてきでした。                                


「賢治と博史」-大いに語りましょうー    山内 則子


宮沢賢治の作品より難解だった今回の小池博史の「風の又三郎」。
賢治の作品はドラマがあり、秋風と共に小学校に現れ、台風と共に転校した風の精と噂される高田三郎の、実に賢治らしい作品。
それに対し、小池氏の今回の第3作「風の又三郎」は、ダンスと、生の演奏と映像を駆使した作品で、どっどど どどうど どっどど どどう、と舞台に惹き付けられているうちに、85分間が、あっという間に過ぎ去っていた。
5人のあまり若くないパフォーマーが、実にいろいろな自然の風を、若々しく表現しておりました。特に、主役の三郎さんの身体能力の高さは感動的でした。
パーカッションや尺八などの生の演奏と、5人のダンサーが見事にマッチし、簡単な舞台装置と白を基調にした美しく揺れる衣装も、風の表現、表情に相応しく、賢治の、自然の中の一つに過ぎないという人間の存在が、豊かに唄い挙げられていました。
映像として写し出される文字や絵も素敵で的確でした。「風の巡礼」として写し出されたあのハッとする赤の動きある物体は、バラでしょうか?
物語の後半で、舞台中央に置かれた、白の芸術的な単純化されたポールから、湧き出し、そして空中に舞う、葉の型の「眼」は、何を表現、意図しているのでしょうか。思わず1枚記念に頂いてきました。
賢治の作品を読んだ後の清々しい気分を胸に、会場を後にしました。11月6日に友達と3人で一緒に鑑賞しますが、彼女たちがどんな反応をするか、お茶会が楽しみになりました。大いに盛り上がることと思います。

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10月22日、長野市芸術館での初演を乞うご期待!

2016年10月19日水曜日

仙台発「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-」プレス向けプレビュー公演 (茅野市民館より)

10月9日(日)から17日(月)までの9日間、仙台市でクリエイションが行なわれた小池博史ブリッジプロジェクト「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-」。10月18日(火)に日立システムズホール仙台にてプレス向けプレビュー公演が行なわれました。連携館のひとつとして、茅野市民館から仙台へプレビュー公演を拝見してまいりましたので、ご報告いたします!

日立システムズホール仙台

ホール向かいは森林公園

「プレス向けプレビュー公演」の看板

小学校を舞台に繰り広げられるユーモアあふれた「風の又三郎」と、野原、野生、野獣…といった原初的なエネルギー体につながる「風野又三郎」。宮沢賢治によるふたつの原作が交錯しながら、能楽、ダンス、アクロバットといった身体表現と、尺八、民俗楽器のパーカッションの生演奏、風を感じる舞台美術や衣装、光と影と言葉の映像などが、さまざまに織りなされた舞台。こどもたちの感性そのままのようなゆかいな場面も多く、鑑賞していた皆さんからも、くすくすいう笑い声や、「おお!」という感嘆の声があがっていました。
会場の「シアターホール」

メディア関係の皆さんが集まりました

プレビュー公演より
2016年版「風の又三郎」は、5月に「泣き虫嘉助」役が仙台でのオーディションで決まり、この10月に演出家、キャスト、スタッフが仙台に滞在して創作されました。このプレビュー公演で「泣き虫嘉助」の泣き叫ぶ姿を見ながら、仙台生まれの新たな「風の又三郎」なんだなあ…と感慨深く思いました。

 風とともに旅をしよう 東北と世界をむすんで

地球を囲み、世界中いろいろなところを旅する「風」。そんな「風」と同じように、仙台生まれの「風の又三郎」が、長野市、多摩市、茅野市をめぐり、仙台に舞い戻ってくる。そんな「風」の舞台を、どうぞお近くのホールでご鑑賞ください!
舞台からあいさつする小池博史さん

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◆2016年10月22日(土)17:00開演・23日(日)14:00開演   
長野市芸術館アクトスペース  
https://www.nagano-arts.or.jp/

◆2016年10月29日(土)14:00開演
パルテノン多摩小ホール
http://www.parthenon.or.jp/

◆2016年11月2日(水)19:00開演
※1日㈫は市内小学4年生対象のプレビュー公演
茅野市民館マルチホール
http://www.chinoshiminkan.jp/

◆2016年11月6日(日)14:00開演
日立システムズホール仙台 シアターホール
http://www.bunka.city.sendai.jp/

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◎プレビュー公演後、小池博史さんへの記者会見より

Q. 東日本大震災から、こういった創作を手掛けるようになったことについてお聞かせください。

A. 震災が大きな転機だった。これまでの活動についても、人間についてももう一度問い直す必要があると感じた。その方向性のひとつが、人の視点だけではない視点がある「宮沢賢治」だった。昔はもっとこういう視点があったのではないか、現在は人だけの視点になっていないか、と。「宮沢賢治三部作」として、『注文の多い料理店』では〈動物〉と、『銀河鉄道』では〈死者〉と、そしてラストの『風の又三郎』は大きな〈自然〉と、それぞれ対峙している。
〈自然〉とは、人間の力ではどうしようもない、目に見えない大きな力をもっている。恐ろしくもある〈自然〉と自分たちはどう対峙していけばいいのだろう、ということを考えています。



記者会見より

Q. ユニークな作品だと思うのですが…。
A. 空間、時間、身体で構成する表現。知識で情報として切っていくのではなくて、感じ取れることがある。その点は、こどもたちのほうが素直に感じていっていると思う。ユニークというよりは、さまざまな芸能の融合であり、もっとも古典的な方法なのではないかと思っています。 

 (レポート:茅野市民館 広報担当:後町)

http://kikh.com/kaze2016/





2016年10月18日火曜日

[KENJI]子ども創作ワークショップ+鑑賞プログラム「風の衣装を作って見よう」【レポート11】

「地域」と「劇場」について

(ワークショップの振り返りより)

時代が変化しようとしているのを感じる。和紙で糸をつくることも、「何をやってるんだ」という反応だった3年前から、今は「面白いじゃないか」という反応に変わった。「匠」「地方」。過去からの技を見直し、地方でなにかできていくんじゃないかと感じている。
浜井弘治

暮らしのなかにアートがある。違いをリスペクトして、違いを自分のなかに取り込んでいく。小さいころに見守ってくれた大人がいる。異年齢の人たちとのコミュニケーションは地域社会にとって大切なこと。今回のワークショップと、11月の劇場での鑑賞をつなぐ部分でもあると思う。
劇場は、どきどきして心が動くような場所だと思う。何かを楽しみにしていて、体験して、余韻にひたって、日常に戻る。その部分がつながると、劇場とその地域の在り方が浸透するのでは。
辻野隆之(茅野市民館指定管理者 株式会社地域文化創造 代表取締役社長)

小さいころ謡の舞台に連れて行かれて、見てもわからなかったけれど心地よかった。理屈ではなくて、その空間にいることを経験させてくれた。敷居の高い感じがする「劇場」。体験する機会が増えれば。その積み重ねが、茅野市民館の「ファン」をつくるひとつの要素になるのかな。多くの日常のなかに、そういう気持ちが芽生えて積み重なれば、その人の日常になる。御柱祭でこれだけ楽しめる地域の人たちだから、なおのこと。
市民サポーター

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■公演「風の又三郎」鑑賞(プレビュー公演)
※学校連携:茅野市内小学4年生 縄文科単元「「風の又三郎」の観劇で、縄文の風をふかそう」

ワークショップで創作した〈風〉の衣装を身に着け、茅野市民館で舞台作品を鑑賞する。
〈風〉の衣装をつけた自分たちと、〈風〉を感じる舞台空間がつながるような体験を目指す。
[公演内容]小池博史ブリッジプロジェクト「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-」
[対象]茅野市内小学4年児童(527名)
[日時/会場]2016年11月1日(火)茅野市民館マルチホール

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[KENJI]子ども創作ワークショップ+鑑賞プログラム「風の衣装を作って見よう」【レポート10】

地域と劇場 市民サポーターとのチーム

今回の子ども創作ワークショップでは、茅野市民館の技術・制作スタッフとともに、市民サポーターの皆さんがスタッフとして参加しました。
茅野市民館と地域の架け橋となるサポーター活動や、市民主体の創作活動に取り組んできた皆さんと、子どもたちへ創造の楽しさを届けるチームとなり、各学校へ出向きました。

 

◎市民サポーターの声
○学校は教育、市民館は文化、ここまでの協働は初めてでは。
ジレンマも含め、協働の芽が見えてきた。構築していく第一歩。
○参加させてもらってよかった。ボランティアをやっていてよかっ
た!
○サポーターも一緒に「チーム」で動いた感じ。

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■市民サポーターとのチーム
[事前打ち合わせ]
2016年9月5日(月)16:00~茅野市民館 楽屋201
[子ども創作ワークショップ]講師:浜井弘治
2016年9月7日(水)金沢小学校、宮川小学校
市民サポーター:両角早代、宮沢ゑい子 CCC:辻野隆之、荻原みゆき、藤森淳子、後町有美
2016年9月8日(木)玉川小学校、永明小学校、湖東小学校
市民サポーター:今井恵子、守矢麻佐子 CCC:辻野隆之、荻原みゆき、藤森淳子、後町有美
2016年9月9日(金)豊平小学校、泉野小学校、北山小学校、米沢小学校
市民サポーター:加藤孝昭、小平久美子 CCC:辻野隆之、荻原みゆき、後町有美

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http://www.chinoshiminkan.jp/ccc/2016/1102.html

[KENJI]子ども創作ワークショップ+鑑賞プログラム「風の衣装を作って見よう」【レポート9】

創作ワークショップ おとなたちの感想

◎学校関係者の感想より
○歴史的なところからだけでなく、身近なところから縄文に触れる体験。
○「遊んでみよう」という授業。とっても素敵な遊びができた。
○教科と違って苦手意識がなく、独創的なことが起こった。
○こだわりがあったり、一生懸命表現したいというのが伝わってくる。
○イメージできる力。「着る表現」と「言葉に表す表現」、ふたつの表現があるように思った。

◎同行スタッフ(茅野市民館スタッフ、市民サポーター)の感想より
○ものの見方、捉われていたことの窓が開くのを見た。失敗じゃない、工夫してもっと素敵になるよ、という「気づき」。
○大人の常識では考えられない発想がすごい。大人はなんて頭が固くてまじめなんだろうって、自分の反省点。
○自分自身のひらめき。「遊ぶ」というところに収穫があった。遊び心をもっていると思いがけない結果がでてくる。
○子どもたち同士、できない部分を助け合っていた。支援が必要な子も一緒にいる、そういう地域性があるのかもしれない。
○コミュニケーションについて。言葉にする/しない。そのバランスについて考えた。大人も言葉にしていないことが多い。あえて伝えるか、伝えないか。

〈キーワード〉
探る、遊ぶ、接点


◎浜井さんの感想より
○エラーをタブー視してしまう傾向があると思うんだけれど。トライ&エラーが大事だと思う。
○みんな同じ布だけど、自分の考えで工夫する。友だち同士、違うということを確認できた時間だった。
○「縄文文化」とのつながりについて、感覚的にできるからこそ、「なぜ縄文?」という部分で、ワークショップの内容を自問自答した。どれだけ深く考えたかが、おのずと現れるだろうと思い、深く考えた。
○527名もの子どもたちに対するということ。プログラムから入るのではなく、深いところを突き詰めていく。感性だけで去っていくということではなくて、見えない部分を掘り下げた。どれだけ真摯に対しているか。それ、愛情の部分だと思う。
○今回の体験で感じたこと、見つけたこと。意味がないと思っても大人になって、何かにつながるのでは。なにかを見つけて行動できるのはすごいことだと思う。

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[KENJI]子ども創作ワークショップ+鑑賞プログラム「風の衣装を作って見よう」【レポート8】

創作ワークショップ「11月1日に茅野市民館で会おう!」


浜井さん
もうちょっとやってみたらお気に入りの衣装ができるかもしれない。
自分が一番いいなと思えるような着方を家でやってみて、
11月1日「風の又三郎」を見るときは、その衣装を着て、市民館で会いましょう!

11月1日の鑑賞で、市内の4年生全員が、それぞれの衣装を着て茅野市民館(劇場)に集まる。劇場は、子どもたちの衣装発表の場にもなる。
舞台の「風」を感じて、身に着けた衣装を通して、どんな「風」を感じられるだろうか。



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■子ども創作ワークショップ(茅野市内全9小学校でのアウトリーチ)
※学校連携:茅野市内小学4年生 縄文科単元「「風の又三郎」の観劇で、縄文の風をふかそう」

[対象]茅野市内小学4年児童(527名)
[講師]浜井弘治(ファッションデザイナー/株式会社うるとらはまいデザイン事務所)
[同行スタッフ]茅野市民館指定管理者 株式会社地域文化創造スタッフ、茅野市民館サポーター
[実施日/会場(参加者数)]
 2016年9月7日(水)
 金沢小学校(20名)
 宮川小学校(①57名②56名)
 2016年9月8日(木)
 玉川小学校(①70名②70名)
 永明小学校(①70名②36名)
 湖東小学校(①19名②20名)
 2016年9月9日(金)
 豊平小学校(35名)
 泉野小学校(17名)
 北山小学校(18名)
 米沢小学校(①20名②19名)
 ※1回45分授業

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2016年10月17日月曜日

[KENJI]子ども創作ワークショップ+鑑賞プログラム「風の衣装を作って見よう」【レポート7】

創作ワークショップ こどもたちの感想


子どもたちの感想
「好きなところに穴を開けて、オリジナルの服が作れてよかった」
「初めてで自分たちで考えることができてよかった」
「いろんな好きな服ができてよかった」
「切るとこが難しかったけど、楽しくできた」
「切るときに難しかったけど、着るときは面白かった」
「いろいろ切ったり穴をいろいろ通して着てみて楽しかった」
「家に帰ってもっと穴を開けてみようかな」
「いろんな着方をして、『風の勇者』っていう題名をつけた」
「いろんなところに穴があってみんなと違う作品ができた」
「斜め、縦、横、切ってみた。線がいろいろになって良かった」
「3つ穴を開けただけなのに、いろんな着方ができてびっくりした」
「困ったときはどうできるかわからなかったけど、かわいくできて良かった」
「布だけでとてもかっこよくできて良かった」
「はじめて作って難しかったけどきちんとできた」
「みんなうまかった。自分のはへんな口みたいになった。また家で考えてみる」
「いろんなところを切って面白い形になって、今までやったことがない体験ができて良かった」
「自分であまり作ったりしないからいい体験だった」
「家でもやってみたい」
「ファッションショーまでできた」
「穴を開けるのがこわかったけど、開けたらすっきりした」
「穴を開けるのが大変だった」
「布を切るのが楽しかった」
「いろんなかんじの服装ができてよかった」
「ただ穴を開けるだけなのにいろいろな着方ができてよかった」
「どうやって着るか考えるのが楽しかった」


穴を開けてどうなるかは
プロでもよくわからない。
やってみないとわからない。
みんなの着方を見て
びっくりすることが
たくさんあった。
イメージが生まれると
ポエジーが生まれる気がする。

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[KENJI]子ども創作ワークショップ+鑑賞プログラム「風の衣装を作って見よう」【レポート6】

創作ワークショップ 問2「風を見たことある? 感じたことある?」


浜井さん
ところで、風って見たことある?

子どもたち
「ない」
「空気みたいに見えない」
「だって吹いてるから」
「木を揺らす」
「布が飛ばされる」
「スカートがめくれる」
「葉っぱが飛ぶ」

浜井さん
じゃあ、風を感じたことは?



子どもたち
「雲が流れる」
「煙が動く」
「窓の外の木がさわさわしている」
「紙とか吹き飛ばす」
「落ち葉が飛んでくる」
「ビニール袋が空高く飛んだ」
「竜巻とかくるくるまわる」
「飛行機が飛ぶ」
「電線がゆれた」
「家がゆれる」
「服がゆれた」
「髪の毛がなびく」
「走っているときに涼しい」
「肌寒い」
「あったかい」
「自分の感覚」
「外に出ると飛ばされそう」
「呼吸ができなくて酸素がとんでってる感じ」
「音」
「目をつぶってびゅうびゅうする」
「びゅーんときた」
「窓にあたる」
「ひゅ~、ばん!ってなる」
「風に重さがあるのかと思って、はかりをぶら下げてみたら反応があった」


浜井さん
どんな時に風を感じるか、
11月1日までにもういちど考えてみて。

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[KENJI]子ども創作ワークショップ+鑑賞プログラム「風の衣装を作って見よう」【レポート5】

創作ワークショップ 穴を開けて着方を工夫する②


浜井さん
そうしたら、あともう2つ、違うところに穴を開けてみよう。
縦、横、斜め。最初に穴を開けた裏でもいいよ。
まちがって切れてもいい。
思いもよらないところに穴を開けてみよう。
そして、どう着るかをさらに試してみよう。


もともとあった穴が2つ。
自分で開けた穴が3つ。
頭。手。足。
いろんな通し方をしてみたら
いろんな着方が広がる!


すぐに穴を開ける子もいれば、ひとつ穴を開けたら次に開けるのがちょっと勇気がいるのか、考え込む子も。
切るのは、勇気のいること。


 子どもたち
「穴にどんどん通していくでしょ、そうすると変身ごっこができるよ」
「これは四次元ポケットだよ」
「砂漠の人みたいになった!」
「ぜったいマントにするんだ」
「皇帝になった気分」
「くしゅくしゅってなった」
「足に通してもいいんだ」



子ども
小さい穴を開けて、布をくるっとして通してみたら、
ぼたんになったよ。

浜井さん
すごい!思いつかなかったなあ。そのアイデアいただき!

子どもたち
おおー!どうやったの?


子ども
失敗した。大きく開けすぎた。

浜井さん
そしたら結んでみたらどう?

子ども
あ、穴がふたつに増えた!

子どもたち
ほんとだ、すごいすごい!






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