2016年の4月から11月にかけて、東日本地域の4都市(宮城県仙台市、長野県長野市、茅野市、東京都多摩市)が"宮沢賢治"をテーマとした市民創作プログラム、および「風の又三郎」の舞台作品の創作・上演に、世界で活躍する舞台演出家小池博史らとともに臨む。

2016年11月30日水曜日

「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-」仙台公演のご報告


こんにちは。お久しぶりです。 仙台市市民文化事業団です。
仙台公演が終了いたしました。
ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。
遅ればせながら、本番当日の様子を少しだけお伝えいたします。

プレ・トーク「小池博史の世界」

創作プログラム「KENJI」の参加者有志による運営。
11時40分からシアターホール一階ホワイエにて。
小池博史さんの世界を深く掘り下げる、絶好の機会となりました。

「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND‐」公演


圧巻の舞台でした。

アンケートの一部をご紹介します。

・びっくりしました。セリフは少ないけれど、音や光、動きで風が表現されていました。途中の赤いライトがちょっと怖かったです。

・空気の流れが目に見えるようだった。照明の衣に当たって波打つ感じが良かった。アクロバットな動きも良かったです。

・今までにない感覚でしたが、心地よい舞台でした。風が吹いたら又三郎が遊びに来たと思うことにした。

・終わったあとなかなか立てませんでした。身体の力が入らなくて、心地いい風が心と体を駆け巡って、手には汗を握っていました。私の体の中にも、風は吹いているんだなあ、と、終わった後にただただ涙が出てきてしまいます。

・面白い。特にラストシーンは格別の爽快感を感じた。

・独創的で唯一無二。あの世の世界を見ているようでした。

アフタートーク/4館連携シンポジウム「連携の今までとこれから」

小池博史氏、連携4館の担当者、「KENJI」仙台参加者によるトークが行われました。

各地域の取り組みの紹介から。
脚本「KENJI」を作品化した長野、多摩、仙台。
長野市芸術館はオープニング事業ならではのプレッシャーや多岐にわたる調整があり、ルテノン多摩ではワークショップの期間が短いゆえのご苦労があったようです。
仙台は先輩2館の経験を受け継ぎ進めることができました。

茅野の取り組み「風の衣装をつくってみよう」は、自作の風の衣装に身を包んだ小学生たちが公演を鑑賞するというユニークなもの。連携の力がなければ実現が難しかったということです。


小池さん「地方は懸命にやっているけれどまだ力が足りない。届いていない。地方と地方がつながって力になっていくことがもっともっと必要。日本の現状を変えるぐらいの力に」。
連携の意義深さと可能性を再認識させられる言葉でした。


また、今回の公演について「再演はやはり、いいなと思います。一人一人が深まっていく」としみじみ語っていました。

ゲストの市民創作参加者は、「どんなに過酷な稽古でも頑張る理由は、小池さんの世界に近づきたいから」と、話してくれました。


パフォーマーの皆さんのコメントも。

とても充実した一日となったことをご報告させていただきます。

P.S 公演までの長期にわたり、仙台版「KENJI」参加者の皆さまには、情報発信からイベントの企画運営、各種記録までたいへんお世話になりました。その情熱と実行力は仙台の誇りです。




2016年11月1日火曜日

[KENJI]子ども創作ワークショップ+鑑賞プログラム「風の衣装を作って見よう」【 レポート12】

〈風の子〉たちが〈風の又三郎〉を見にやってきた!

公演「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-」。本日11月1日、茅野市内全小学4年生が全員が来館し、この舞台を鑑賞しました。


 浜井さん
 もうちょっとやってみたらお気に入りの衣装ができるかもしれない。
 自分が一番いいなと思えるような着方を家でやってみて、
 11月1日「風の又三郎」を見るときは、その衣装を着て、市民館で会いましょう!

9月のワークショップでそれぞれに工夫した「風の衣装」をまとった、527名の〈風の子〉です。




大きな劇場で、あちこち目移りしながらこどもたちは興味津々の様子。ほかの学校の子と一緒になる機会も、そうそうありません。でも、暗転して舞台がはじまると、みんなの意識がぎゅっと入り込む瞬間があり、そこからはそれぞれの集中力で、そこに生まれる時空間を感じ取っているようでした。

終演後には、ワークショップ講師の浜井弘治さんにそれぞれの衣装を披露してごあいさつ。キャストの皆さんも駆けつけ、市民館のロビーが、いろいろな風の集まる不思議な空間となりました。




スタッフ・キャストの皆さんも
「舞台も客席も、まるでひとつの劇空間にいるような感じがした」
「客席からすごくエネルギーをもらった」
「こどもたちの〈なんだろう〉という興味を感じて、みんな表現がとてもやわらかかった。こんなことはほかにない」と口ぐちにおっしゃっていました。

舞台からのエネルギーと、舞台へ向けられたたくさんのエネルギー。観客の皆さんの存在があってこそ、舞台の空間と時間が生まれる。そんなことを実感した公演でした!

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■公演「風の又三郎」鑑賞(プレビュー公演)
※学校連携:茅野市内小学4年生 縄文科単元「「風の又三郎」の観劇で、縄文の風をふかそう」

ワークショップで創作した〈風〉の衣装を身に着け、茅野市民館で舞台作品を鑑賞する。
〈風〉の衣装をつけた自分たちと、〈風〉を感じる舞台空間がつながるような体験を目指す。
[公演内容]小池博史ブリッジプロジェクト「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-」
[対象]茅野市内小学4年児童(527名)
[日時/会場]2016年11月1日(火)茅野市民館マルチホール